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19-20 選手採点

  • 執筆者の写真: おしょう
    おしょう
  • 2020年8月29日
  • 読了時間: 12分

パウ・ロペス【採点/5.5】

【出場/42】

昨季のラ・リーガで最もパスの成功率の高いGKという触れ込みはあったが、キックの正確性よりもセービングの上手さの方が目立った、というのがシーズン前半戦の印象。ここまでは良いも悪いも込みで「思っていたのと違う」で済む話であるが、後半戦の低調なパフォーマンスには不満が残った。古典的とまではいえないが、パスや飛び出しの技術を考えるといわゆる近代的なGKという表現に相応しくない。GKがシーズン途中で質を落とすことは珍しいと感じたが、逆に向上する可能性を信じて、2年目での奮起に期待したい。

アントニオ・ミランテ【採点/6.0】

【出場/7】

昨季のような完全なポジション確保はなかったものの、出番になったときの安定感は相変わらずで、1戦目のインテル戦ではクリーンシートに貢献した。また、その試合でもピンチを招くミスがあったようにローマのポゼッション中に不安要素となる感はあるものの、パス関連の項目をみても、リーグ戦における90分平均の数字でパウ・ロペスに劣る要素はほとんどない(出場数が少ないため安易な判断はできないが)。シュチェスニーが守護神だった頃のデ・サンクティスのように、チームにいることがしっかりとメリットになる存在。

ジャンルカ・マンチーニ【採点/6.5】

【出場/41】【ゴール/1】【アシスト/-】

今季のディフェンダーの中で最も長時間プレーした選手。守備の人として無難に任務を遂行した一方で、有事にはミッドフィールダーにもうまく対応してチームを助けた。中盤で起用された試合で普段よりも自身のパス数が減ったにもかかわらず、シーズンを通しての総パス数と成功率はスモーリングやファシオを上回る。レッドカードが2回、イエローカードの累積による出場停止が3回と、翌節にまで影響するカードの多さは反省材料。クリーンな守備をする余裕を身につけたい。

クリス・スモーリング【採点/7.0】

【出場/37】【ゴール/3】【アシスト/2】

センターバックの軸になる選手を売ったあとの後釜獲得に成功してきたローマだが、今季も例によって高質の守備職人がチームに加わった。ノーミスだったとはいえないが噂に聞くほどのポカもない。空中戦勝利の数と率ではチーム内のディフェンダーでトップであり、インターセプト数も最多、ドリブルで相手選手に抜かれる率は最小となった。一時は困難とされた買取は現実味のあるフェーズに戻ってきたようで、来季もローマでのプレーを継続するかもしれない。

フェデリコ・ファシオ【採点/5.5】

【出場/23】【ゴール/2】【アシスト/-】

昨季は調子が良くないなりの踏ん張りで定位置を守ったが、加入してから4季目にしてついに序列を下げた。原因がどこにあるのかは別にせよ、ローマがリーグ戦で無失点だった7試合中の5試合はファシオが出場しておらず、残り2試合のうちの片方は開始30分で退場している。今季になって急激に質を落としたわけではないが、昨季に続く凡庸な出来が印象点を悪くしているのだろう。終盤戦になってシステムが変更されても、ファシオにはプラスに働かなかった。

ロジェール・イバニェス【採点/6.0】

【出場/10】【ゴール/-】【アシスト/-】

冬のニューカマー。アタランタでもほとんど出番がなく、ローマでもしばらくは謎に包まれたままだった。しかし、リーグの中断期間が明けるとシステム変更に伴って出場機会が増加。エリア内でのタックルや、大雑把なクリアをせずにパスをつなごうとする姿勢など、勇敢なプレーが見受けられた。この夏にどのような動きがあるのかは読めないが、スモーリングを含めても現陣容では来シーズンも多くのプレー機会を得られるだろう。強化スタッフたちには、彼を必ず計算に入れたうえで来季のメンバー構成を考えてほしい。

アレクサンダル・コラロフ【採点/6.5】

【出場/42】【ゴール/7】【アシスト/4】

34歳とは思えないフィジカルコンディションの整い方で、累積警告のよる一度の出場停止を除き、すべての試合でスカッド入り。しかしプレーは過去2年と比べてインパクトが薄く、結果的な得点とアシストは立派な数字になったものの序盤戦に固めて記録したものが多い。そのため攻撃面においては年間を通じた全体的なパフォーマンスに物足りなさも残ったが、敵陣でのパス成功数がサイドバック陣で最多を誇るなど、高い位置でもたしかな技術と安定を感じさせる選手ではあった。

レオナルド・スピナッツォーラ【採点/6.5】

【出場/32】【ゴール/2】【アシスト/2】

コラロフがレフトバックの定位置に君臨していたため、シーズン序盤での主戦場は右サイド。選択肢の多いポジションだったことも影響してレギュラー格になれないでいたが、リーグ中断明けに3バックが基本システムになり、左のウィングバックを担うようになった。90分平均でコラロフの倍近い成功数を誇るドリブル突破が武器となり、左足でも蹴れる右利きのレフトバックであることが相手選手の判断を難しくさせている。セットプレーを除いてオウンゴール誘発を含めれば、コラロフにも劣らないペースで得点に関与した。

ダビデ・サントン【採点/5.0】

【出場/21】【ゴール/-】【アシスト/-】

大きな批判の対象となる決定的な要素はないが、昨季に引き続きバックアッパーの域を出なかった。1ヶ月間ほどフロレンツィよりも優先的に使われたり、周囲のライバルたちに反して自身が無風だったため冬の移籍期間中に出場したりしたが、暫定的に起用される以上の駒ではない。また、サイドバック陣のなかで唯一、敵陣よりも自陣でのパス数の方が多い。平均のパス成功数が最も多いのはサントンだが、この場合、低い位置をとったことにより安全策を選択しやすかっただけかもしれない。これはフォンセカの望む戦術に合致しない。

ブルーノ・ペレス【採点/6.0】

【出場/19】【ゴール/2】【アシスト/2】

冬にブラジルから戻ってきたときは戦力としてカウントされるのかも分からない状況だったが、フロレンツィが長期離脱していた16-17以来となるレギュラーの座を掴んだ。ボールを持ったときのアイディア不足が多少見受けられるものの、高いポジションで積極的に攻撃に絡む姿勢は感じられた。ムヒタリアンに2回届けたアシストでは敵陣の深いところを抉っていて、クロスの精度も悪くなく、コラロフを上回る数値でサイドバック勢のなかで最高の成功率となっている。

ダビデ・ザッパコスタ【採点/4.5】

【出場/9】【ゴール/-】【アシスト/1】

長期の欠場が響き、ほとんど良いところがないままシーズンが幕を閉じた。フロレンツィが期限付きでチームを去り、スピナッツォーラが左で起用されるようになったが、自身の怪我が治った頃にはブルーノ・ペレスが目の前に立ちはだかった。前や横よりも後方へのパスが多いのだが、これはサイドバックの選手のなかでザッパコスタが唯一だ。ドリブル突破の成功率も他のライバルたちと比べて低い数字になっており、個人技での打開が難しいうえに、戦い方の工夫で改善することもできなかった。

ジョルダン・ヴェレトゥ【採点/7.0】

【出場/43】【ゴール/7】【アシスト/1】

中盤を支え続けた重要なピース。セリエAでもELでも、大半の試合で90分を戦い抜いた。ディアワラやクリスタンテと比較してプレーエリアが広く、直接チャンスにつながるプレーも多く、それでいてサイドバックの攻撃参加を後方でケアする役割を担うなど、多岐にわたる活躍ぶりだった。ローマがそれなりに良い調子を保ったシーズン前半戦、多くの勝ち点を稼いだ終盤戦では特に躍動してチームを助けた。PKのセンスがあり、安心感はペロッティのそれに近いものがある。

ブライアン・クリスタンテ【採点/6.0】

【出場/33】【ゴール/1】【アシスト/3】

だんだんと基本ポジションが後ろに下がっていく。やろうと思えば低い位置でプレーできる適性も備えているため今季にいたっては3バックの中央に入ることもあり、まずまずのパフォーマンスをみせたが、その起用法は定着せずに最後まで主戦場は中盤のままだった。同ポジションの選手と比べるとシュート数や精度は高い数値を出しており、直接アタッカーに届ける縦パスも多い。どの特徴を活かすかは監督次第だ。なお、負傷と出場停止で欠場したとき以外は全試合に出場したものの、途中出場が多かった。

アマドゥ・ディアワラ【採点/6.5】

【出場/30】【ゴール/1】【アシスト/1】

昨季に退団したデ・ロッシに比較的似た特徴をもっており、プレーの性質における後釜として期待された新戦力。90分平均のタッチ数やパス成功数はヴェレトゥやクリスタンテよりも多く、タックルやインターセプトの数といった守備的な要素でも同じく最多の数値となっている。コンビを組んだヴェレトゥとは役割を分担するような構図となった。今季のセリエAでディアワラが先発出場したときに獲得する平均勝ち点は2.28、先発しなかったときは1.45。二度の負傷が悔やまれる。

ロレンツォ・ペッレグリーニ【採点/6.5】

【出場/34】【ゴール/3】【アシスト/11】

昨季から片鱗を見せていたチャンスメイクの能力に磨きがかかり、その点においてはデータ上ではムヒタリアンやザニオーロを比較対象にしても群を抜く。むやみに自陣の方に下がりすぎず、アタッカー陣を操るためのポジションを保つような戦い方をするようになった。難点は、シーズン終盤戦のシステム変更後に攻撃面での貢献度が落ちたこと。こなすべきタスクが多いにせよ、高頻度で決定機を演出するという最大の長所は失わないようにしたい。

ニコロ・ザニオーロ【採点/6.5】

【出場/33】【ゴール/8】【アシスト/4】

2年目特有の苦労はあまり感じられず、順調に成長を遂げた。右サイドでのプレーにも順応するようになると、むしろ広いスペースを使った単独突破が増え(中央突破もできるが)、高確率で枠をとらえるシュート技術も相手に脅威を与えた。長期離脱は残念だが、リーグ中断の影響でシーズン中に復帰。その直後から結果とインパクトを残して、その実力が本物であることを強くアピールしたといえる。チームが最も苦しんだ時期がザニオーロの負傷期間と重なったのは、単なる偶然ではないだろう。

ヘンリク・ムヒタリアン【採点/7.0】

【出場/27】【ゴール/9】【アシスト/6】

負傷で2度離脱しながらも結果を残したシーズン前半戦を経て、後半戦になってからは本格的に本領発揮。カウンター時にスピードと精度を失わずにボールを運んでラストパスを出すことができ、自らシュートも打つことも得意で、エリア内に走り込んで味方のパスに合わせるパターンでも多くの決定機に絡んだ。自らの力を数字に結びつける上手さに脱帽。今季のローマでムヒタリアンこそがMVPだと認定するうえで、ただひとつ障壁となり得るのはシーズン前半の欠場数だけだ。

ハビエル・パストーレ【採点/4.5】

【出場/15】【ゴール/-】【アシスト/1】

まともに戦力としてカウントされたのは、ペッレグリーニとムヒタリアンが負傷中だった10~11月の約1ヶ月間だけ。直後、両者の復帰と入れ替わるようにして自身が怪我を負ったことが痛手となった。繊細なボールタッチで局面を打開するシーンもあるが散発的で、あまり得点に絡めなかったことが、その二人とのポジション争いで後れをとった要因の一つ。チームのポゼッションに関与しながらアタッカー陣とも連携したが、攻撃の最終局面での工夫が実を結ばなかった。

ジャスティン・クライファート【採点/6.0】

【出場/31】【ゴール/7】【アシスト/1】

ドリブル突破よりもラストパスを呼び込むランニングが冴えた。全7ゴール中の5~6得点の場面では、シュートを打つ時点で眼前に相手のGKしかいない状況になっていた。昨季に一度もなかった得点パターンであり、ゴールに向かう道筋が開けたような印象だ。相手のボール保持者に猛スピードで食らいつく守備でも奮闘した(タックルがやや乱暴だったが)。しかし、リーグの中断明けから大ブレーキ。負傷者の復帰、冬の移籍市場、システム変更の影響により、チームの好調時には試合に出られず蚊帳の外に。

ディエゴ・ペロッティ【採点/5.5】

【出場/26】【ゴール/6】【アシスト/4】

負傷で序盤戦を欠場したが、その後はあまり離脱しなかった。しかし出場機会は限定的で、とりわけシーズンの後半になると先発出場を減らしている。ずっとチームで唯一無二のプレースタイルだったが、多少似たような要素をもつムヒタリアンやC・ペレスの加入で特殊性が薄れたことも理由か。プレーの内容は相変わらずで、ウィンガーにしてはボールタッチが多く、グラウンダーのラストパスや相手のファウル誘発でチャンスシーンをつくった。ユベントスとの2試合では3ゴール・1アシストを記録。

ジェンギズ・ウンデル【採点/5.0】

【出場/21】【ゴール/3】【アシスト/-】

開幕節でドリブル突破からの強烈なシュートを沈める最高のスタートを切ったが、それ以降は非常に苦しんだ。ザニオーロが大怪我をした翌節のジェノア戦、次のユベントス戦、その次のラツィオ戦で存在感を発揮して失地回復は近いと思われたが、C・ペレスとの定位置争いやリーグ中断が響いてリズムを保てず。シーズン終盤になると、クライファートと同様にしてポジションを失った。平均のキーパス数とクロス成功数はウィング陣でトップ、ドリブル成功数もザニオーロに次ぐ数字だが、肝心のゴールとアシストの数は伸びなかった。

カルレス・ペレス【採点/6.0】

【出場/17】【ゴール/2】【アシスト/3】

20試合に招集されたうちの先発出場は7回で、レギュラーとしてポジションを確保したとはいえない。しかしながら、高頻度でボールに触りながらリズムをつくり、チャンスシーンでは正確なシュートを打てる。ある程度、自らの存在意義を示すことはできただろう。典型的なウィンガーの枠におさまらず、チャンスメイカーやシャドーストライカーとしての色もある。半年の準備期間を終え、来季はどんなプレーを披露するだろう。元バルセロナのペドロがチームに加わったことは、C・ペレスに何か影響を及ぼすだろうか。

エディン・ジェコ【採点/7.0】

【出場/43】【ゴール/19】【アシスト/8】

セリエAでは、17-18シーズンに並ぶ16得点をあげた。当時はチーム全体の得点力が低かったため数少ない得点源として頼りになっていたが、そのときと比較して今シーズンは平均タッチ数やチャンス演出数が増え、決定機をつくる側にまわるシーンも少なくなかった。また、短い期間での固めどりがなく得点ペースはだいたい一定であり、常に攻撃の軸として君臨した。フロレンツィのレンタル移籍に伴い、シーズン後半戦ではキャプテンとしてプレー。

ニコラ・カリニッチ【採点/5.5】

【出場/19】【ゴール/5】【アシスト/2】

ラストスパートでなんとか帳尻を合わせたが、3月になるまでゴールが生まれずチームの役に立てなかった。途中投入の9試合ではまったく結果が出ず、スーパーサブ的な活躍もほとんどなし。ただし、最後の8試合無敗のときには、ジェコの代わりに先発出場した3試合すべてで得点しており、終盤戦に限っていえばバックアッパーとしての責務を果たしたといえるだろう。プレー時間が違いすぎるため適切な比較にならないが、出場時間あたりの得点ペースはジェコを上回っている。

※出場時間の短いゴンサロ・ビジャール、メルト・チェティン、フアン・ジェズス、ダニエル・フザート、リッカルド・カラフィオーリは査定不能。途中で移籍したアレッサンドロ・フロレンツィ、ミルコ・アントヌッチは評価の対象外とする。

 
 
 

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