ASRoma Femminile 入門(概略編)
- ayasupo
- 2022年12月31日
- 読了時間: 11分
更新日:2023年1月2日
(執筆 2022年 12月24日~31日)
皆さんCiao、あやスポです。
昨日、23日で2022年のローマちゃん全試合が終わりました。
男子・女子・プリマ少々と3部門楽しんでいる私。
男子は開幕絶好調でしたが後半主力離脱も相まって尻すぼみとなり、今一つな結果となってしまいました、年明けの巻き返しに期待です。

プリマは数試合ながら見しましたが、小気味よくパスを繋ぐスタイルで、今季もぶっちぎり勝ち点5差で首位を快走中。
主力のヴォルパートやタヒロビッチ、時折チェルビーニやケラミツィスまでトップに連れていかれながらも、カッサーノやサトゥリアーノが活躍、頼もしい限りです。
そして今回記事にする女子(Femminile)
こちらはリーグで勝ち点3差で5連覇中のユーベを抑え首位。

更に国内カップ戦も勝ち上がり、11月にはユーベとのスーペルコッパでも勝利し初制覇!


そしてとどめは女子唯一の欧州カップ戦、女子チャンピオンズリーグで激戦を勝ち抜き見事グループステージ突破という快挙を成し遂げました!!

これがどれだけ凄い偉業なのかという女子サッカー界隈のお話と、ロマニスティならRomaちゃんFemminileも推すしかないでしょ!
そう言い切れるだけの彼女達の魅力を前後編に分けてご紹介するのが今回の記事の趣旨。
前編では概略と称しましてチームの歴史を簡単に振り返りながら、そもそも女子サッカー界って今どうなっているの?という説明を交えてご紹介致します。
そして後編では選手一人ひとりの解説、更にチームの戦術、戦い方の特徴などを、私あやスポ視点でお話しさせて頂こうと思ってます。
これを読めばFemminileを観たくて仕方なくなる、そんな内容に仕上げられるよう努めますので是非最後までお付き合い頂けましたら幸いです。
ではまずはじめに女子セリエAとローマFemminileの歴史を振り返ってみようと思います。
注*私の拙い知識での話なので間違いが有ったらすみません、調べても分からない事が多々あるのが女子サッカー界隈、間違いに気づき次第修正していきます。
リーグの設立は1974年。
組織が出来ては消えたりくっついたりと、色々と紆余曲折した末に一つにまとまった模様。
2015年頃までは男子セリエAに所属しているクラブの女子チーム(ヴィオラ・サッスオーロ等)も一部で居たものの、所謂トップクラブは女子チームを持っていない(もしくはAには居ない)状況でした。
現在女子セリエBに所属するトーレスやタヴァニャッコ等あまり名を知られていないチームが優勝する事が多かったが、17-18シーズンから環境が激変。
先ずユーベがセリエAに参入し初年度でいきなり優勝したのを皮切りに、年を追うごとにミラン・インテル・ナポリ等のトップクラブが加わり順位表もガラリと様変わり。
そんな中、我らがASRomaFemminileは前身チームであるレス・ローマからセリエA参入ライセンスを受け取り、18-19シーズンから参加、実は創設まだ5年目のチームなんです。
初代監督はメガネが素敵なベティ・バヴァニョーリ女史。
そして昨シーズンからバヴァニョーリ女史のフロント入りに伴い、現在はアレッサンドロ・スプンニャ監督に代わっています。
更に今季22ー23シーズンからSERIEA Femmnileのプロ化が実現。
女子のプロ化の動きはまだ始まったばかりで、有名どころだとアメリカ・スペイン・日本等がプロ化したが、そこにイタリアも続いた形。
2022年では欧州で観客数が多かった試合TOP3を全て女子サッカーの試合が記録する快挙を成し遂げ、着実に女子サッカー界のステータスは向上、サポーター数も増加中です。
(ちなみに最高観客試合はカンプ・ノウでの女子CLバルサVSヴォルフスブルグ戦)
プロ化すると年俸上限が取り払われ、複数年契約や移籍金も発生するようになり、女子選手の待遇の改善と競争の激化が予想されます。
着実に補強を行い地力をつけてきたローマちゃんにも、是非この新たな動きにうまく対応して欲しいものです。
以上、簡単に女子サッカー界とローマちゃん創設時の話をしてみました。
端的に申しますと、
・プロ化を果たしこの先益々女子サッカーは盛り上がる!
・ローマちゃん、出来立てだから今から追えば10年後には古参顔出来まっせ(笑)
って事です♪
試合の質も上位陣対決は年々高まってきており見応え抜群、もうこりゃ応援するしかないでしょ?と声を大にして言いたいです、あたくし!
さてここからは肝心要のローマちゃん設立時からのリーグやカップ戦の戦歴と、その時点でのチーム状況等を分かる範囲でご紹介しようと思います。
因みに私がちゃんと追い始めたのは設立翌年の19-20シーズン途中からで、18-19シーズンに関しては詳しくご紹介出来ない事、ご了承ください。
*参考資料(画像)はあやスポがいつも重宝するFRASHSCOREから拝借してます。
各選手の名前表記はイタリア発音を重視してます。
2018~19シーズン

クラブ創設初年度はTOP3に大きく引き離されながらも12チーム中4位でフィニッシュ。
この中でいうとヴィオラ・サッスオーロ・アタランタ・ヴェローナは以前から女子チームがセリエAやBで戦っている古参チーム。
レスローマから参加資格を譲り受けたローマちゃんは、他所から多くの選手を連れてきての参戦。
当然、序盤は苦戦続きでしたが徐々に盛り返し最終的に4位で終えれた事は凄いですね。
創世記の有力選手紹介
・エリザ・バルトーリ(ヴィオラから加入)
言わずと知れた我らがカピターナ、主戦場は左SBだが最近では右やCBもこなす
・アンナマリア・セルトゥリーニ(ピンク・バーリから加入)
最初期からチームで躍動し続けるエースストライカー、初ゴールも彼女が記録、私の最推し
・ヴァネッサ・ヴェルナウェウ(ヴォルフスブルグから加入)
チームのダイナモ、欧州トップクラブから加入し創世記を支えたベテラン
・クラウディオ・チコッティ(レスローマから加入)
今も中盤に欠かせない生え抜き選手、ムードメーカー
・ジャダ・グレッジ(レスローマから加入)
才能の塊、長期離脱を乗り越え不動のスタメンに成長
2019~20シーズン

2年目の夏の市場でチームの骨格を築くことに成功したローマちゃん。
首位ユーベとは離されるも、ヴィオラ・ミランの2番手集団にしっかり喰らいついていく。
しかし、シーズン途中で武漢コロナパンデミックが世界中で発生し、チャイナとの関係が深いイタリアは北部中心に致命的なダメージを喰らってしまう。
カンピオナートもシーズン途中での中断を余儀なくされてしまった。
4-3-3をベースにしたチームのスタイルが選手間でも確立されてきていた時期であり、更なる成長を楽しみにしていた選手もティフォージも辛い幕切れとなってしまった。
19~20シーズン加入した主な選手
・マヌエラ・ジュリアーノ(ミランから加入)
我らが誇るNo10、中盤に君臨しあらゆる場所から決定機を創出するファンタジスタ
・アンドレッサ・アウベス(バルセロナから加入)
ミスパーフェクト、あらゆる要素をハイクオリティで兼ね備えたチームの大黒柱
・チェァーザレ・キャメリア(ブレッシアから加入)
抜群の反射神経によるシュートストップが魅力のGK、数々のライバルに競り勝ち今に至る
・リンゼイ・トマ(ディジョンから加入)
スピードスターで且つ難しいシュートを決めるストライカー、現ミランのエース
・アンドリーネ・ヘーゲルブルグ(PSGから加入)
女子バロンドーラーを姉妹に持つ中盤のテクニシャン、ローマ在籍中は故障に泣かされた
2020~21シーズン

コロナが幾分落ち着き、なんとかカンピオナート再開することが出来た20~21シーズン。
冬・夏ともにコロナの影響もあり男女問わず世界的に移籍市場は閑散としており、ローマちゃんも例に漏れず選手の放出がどちらかといえばメインに。
そんな環境の中でも現在も活躍するパロマや一時期正GKを務めたバルディを加えたりと、チーム強化にしっかりと取り組んだローマちゃん。
そして冬にイタリア最強CBとも呼ばれるエレナを獲得し勢いは加速。
不安定な守備が大幅に改善され創設3年目にしてユーベ・ミランという強豪を破り、
初のビックタイトル【コッパイタリア】制覇を成し遂げた。

(右からバヴァニョーリ女史、アンナ、カピターナの3ショット、記念Tシャツも販売)
このタイトル獲得に合わせ創世記からチームを導いてきたベティ・バヴァニョーリ監督が勇退しフロント入り。
代わりに選ばれたのはエンポリで辣腕を奮っていたアレッサンドロ・スプンニャ監督。
ここからローマちゃんは新たなステージへと突入する。
20~21シーズンに加入した主な選手
・パロマ・ラッザーロ(ヴィオラから加入)
スペイン出身の長身FW、ポストプレーに長け決定力も備える頼れるCF
・ラケーレ・バルディ(エンポリから加入)
一時期は主力としてチームを支えたGK、的確なコーチングで危うい守備陣を支えた
・エレナ・リナーリ(ボルドーから加入)
チームの歴史をエレナ前とエレナ後に分けても異存無いぐらいチームを超強化したCB
・マリア・バヌシッチ(モンペリエから加入)
残念ながらパロマの控え以上にはなれなかったが印象的なゴールを決めてくれたCF
2021~22シーズン

スプンニャ体制となりチームカラーやメンバーに彼の色合いが加えられた移籍市場。
右SBには彼の古巣からグリエルモを、前線(右WG)はユーベと主力同士のトレード。
ボンファンティーニに代わりリオンナが加入。
更にCFにピローネを加えると同時に、今までローマを支えてきたトマやスウェビー、ヘーゲルベルグを放出したり、若手を期限付き移籍で放出したりして新体制を整えていく。
冬の移籍市場でも現在主力のノルウェーコンビ(オーヴィ&ソフィー)を獲得したり、CBにコルマッツを加えたりと積極的に動き、後半戦は3バックをチームに導入。
4-3-3と3-1-4-2を相手や選手状況によって使い分けるスタイルを確立させた。
バヴァニョーリ監督の下で築いたポゼッションスタイルに、ダイナミックな逆サイドへの展開でゴールを一気に陥れるパターンを加えたローマちゃん。
コッパイタリアは残念ながら決勝で宿敵ユーベに連覇を阻まれてしまったが、リーグ戦は見事2位でのフィニッシュを果たし、念願の欧州の舞台に挑戦する切符を勝ち取った。
21~22シーズンに加入した主な選手
・ルチア・ディ・グリエルモ(エンポリから加入)
守備力の高い右SBというチームの穴を補完する戦力、長期離脱中の為復帰が待たれる
・ベネデッタ・リオンナ(ユーベから加入)
ボンちゃんとのトレードでユーベから加入、思い切りの良いドリブルでの仕掛けが魅力
・ヴァレリア・ピローネ(サッスオーロから加入)
前線・中盤共にこなす選手だがローマでは主にCFを担当、パロマと2トップを形成
・エミリー・オーヴィー(LSKクヴィンネルから加入)
ローマのストーム、左サイドを主戦場に敵陣をドリブルで切り裂く暴風雨
・ソフィー・ロマン・オーグ(LSKクヴィンネルから加入)
圧倒的な空中戦の強さを武器とするハイタワー、更に高レベルの決定力も備える
2022~23シーズン

遂に欧州最高峰の舞台に挑むこととなった22~23シーズンのローマちゃん。
当然、試合数も大幅に増える為、新たに戦力を加える必要性に迫られる。
そこで今夏加わったのが中田選手以来となるローマの為に戦う日本人。
南萌華選手

浦和レディースから加入した彼女は、年内最終戦CLGS第6戦を除きなんと全試合フル出場。
怪我人が続出する中、絶対的なスタメンとして最終ラインに君臨し、CB&左SBとして奮闘し続けた。
彼女がリナーリと中央で組んだ時の守備陣は間違いなくセリエ最強、現にリーグ12試合を終えて僅か7失点。
怪我人続出に加えチャンピオンズリーグの合間という超過酷日程時にぶつかり、案の定やられてしまったユーベ戦での4失点を除けば、11試合3失点という恐るべき鉄壁。
萌華さんに関しては褒めたらきりがない(笑)
文句のつけようのない完璧な内容の前半戦でした。
萌華さんのお話をし始めると本当にこの記事終わらなくなるので、続きは後編の選手紹介で改めて語るとして、実は今夏は他にも超大物選手が加入しております。
”姐さん”とあやスポが畏敬の念をもって呼称するイタリア代表のエースストライカー
ヴァレンティーナ・ジャチンティ選手

彼女の加入も本当に大きくローマちゃんを一段と飛躍させてくれました。
圧倒的な決定力を誇るローマのLeonessa。
彼女の加入でローマちゃんのセンターラインがぶっとく強化されましたから。
他にもバイエルンからCBのウェニンガー等が加入し、一層強化されたローマちゃんは開幕から大躍進を遂げる。
カンピオナートでは2位ユーベに勝ち点3差の首位でウインターブレイクに入り、CLでは初参加でグループステージ(GS)を突破する偉業を果たしました。
ご存じないと思いますが、男子とは大きくレギュレーションが異なるんです、女子のCL。
イタリアリーグの欧州ランクが高くない為、セリエ2位のローマちゃんはH&Aの予備予選を2回突破して初めてGSに参加できるというかなりの狭き門。
(ユーベですら予備選2回戦からの参加、GSストレートインではありません)
予備予選とはいえ戦う相手も、どこかの国のリーグ王者か、トップリーグの2~3位チームが相手。
そこを参加初年度で突破しただけでも凄い事なのに、4グループ各4チームに振り分けられたGSで2位通過を果たしたんです。
これ流石にやばいでしょ? シンプルに。
そう、今のRomaFemminileはヤバいんですよ!!
だからこんな長ったらしい記事を年末休み大幅に削って書いているんです、あたくし。
一人でも多くの人にいち早くFemminileを応援して頂きたいの一心で!
どうせこの先どんどん盛り上がっていく女子サッカー、ロマニスティであればいずれ応援することになりますから。
ならば大躍進を遂げ試合内容も面白く、日本人選手が主力として活躍する今始めた方が良いでしょと!
…という事で、ローマちゃんや女子サッカーの簡単な紹介と現況解説をお届けしました。
続く後編ではなるべく分かりやすく魅力が伝わるように、現ローマ所属選手を紹介しようと思います。
チームに興味持つためには推しの選手を作るのが一番!!
皆さんの推し作りに役立てるよう正月休みも削って執筆しますので、是非後編も読んで頂けましたら幸いです。
それではまた後編でお会いしましょう、Arrivederci

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