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BandS FC × AS ROMA

  • 執筆者の写真: しゅんぴ
    しゅんぴ
  • 2019年12月6日
  • 読了時間: 5分

SNSなどで目にしている方も多くいると思いますが、現在ASローマとBands FCがコラボしてTシャツやスウェット、フーディーなどを販売しております。この商品の収益の100%がMissing Child Kenyaという「ケニア全体で行方不明の子供に関するタイムリーな事実情報を共有するためのコミュニティプラットフォーム」に寄付されるとのことです。

新しいことに挑戦し続けるローマの広報チームの素晴らしい取り組みだと思います。これからの時代、サッカークラブとしてのアイデンティティはピッチの上だけでなく、こうした活動からも形作られていくのではないでしょうか。こうした活動の理解が少しでも深まればと思い、今回の記事を書きました。



まず、このBands FCというのはサッカークラブのエンブレム風にバンドのロゴを製作しそれらの展示を開催し、Brinscall F.C. Juniorsというイギリスのジュニアチームのスポンサーになったり、スコットランドのインディロックバンドFrightened Rabbitというバンドが設立している慈善団体に多額の資金を集めるのを手伝っているようです。Frightened Rabbitはツアーで使用したギターを売り、その売り上げをインビジブルチルドレンコーポレーションに寄付したりとチャリティ活動を多く行っているバンドです。フロントマンのスコットハッチソンが昨年亡くなり悲しいニュースになっていました。


いろいろなバンドやミュージシャンのクラブエンブレム風バッジ。60年代のストーンズから10年代デビューのThe1975など、幅広いラインナップが楽しめます。興味ある方は公式サイトを見てみてください。元ネタがわかると面白いものばかりです。個人的にはRun The Jewels × ザルツブルクが笑えました。ローマのパロディももちろんあり、これもなかなか秀逸です。ヒントは昨年イギリスのマーキュリー賞を受賞したバンドです。


展示の様子です。




そして本題のローマとコラボしたグッズですが、現在公表されているのは以下の4種類です(それぞれTシャツ、スウェットなどラインナップがあります。)これもいろいろなバンドなどのパロディになっております。海外の音楽なんか聴かねーよという方のために解説いたします。背景を知っている方がきっと魅力的になりますよね?





Joy Division


まず、左上の波線が連なっているデザインですが、これはイギリスのポストパンクバンドJoy DivisionのUnknown Pleasuresというアルバムが元ネタになっています。ローマの七丘と引っ掛けていますね。このアートワークはピーターサヴィルというイギリスの伝説的なグラフィックデザイナーが製作し、ロック界の名作ジャケットとして有名です。サッカーで言うとピーターサヴィルは2010年にイングランド代表のユニホームもデザインしていまして、これは世界中のユニホーム史上最高のデザインだと、僕個人は思っています。



Joy Divisionはフロントマンのイアンカーティスが自殺してしまったことでも有名で、ダークな曲調がとても個性的な唯一無二のバンドです。彼の痙攣したようなダンスもユニークでかっこいいです。





Led Zeppelin


右上の赤いTシャツですが、これはLed Zeppelinのバンドロゴをオマージュしたデザインになっています。若いローマファンでも名前くらいは聞いたことあるのではないでしょうか。日本でもファンが多く、4人の個性がぶつかり合う世界最高のハードロックバンドの1組です。特徴的な4つのシンボルマーク(ローマTシャツでも再現されていますね)はバンドの4人を表していると言われており、個々の意味は諸説あるそうなのですが、当時黒魔術に傾倒していたと言われる(ガチなのかファッション的なレベルなのか僕個人は詳しく知らないです)ギターのジミーペイジ中心に考えられたと聞いたことがあります。





Wu-Tang Clan


左下の紺地にイエローのマークが光るTシャツは90年代に結成されたNYのヒップホップクルー、Wu-Tang Clanのロゴマークのオマージュですね。Wの文字をモチーフにコウモリのようなロゴです。バットマンのマークみたいな印象的な形にしたかったとか。ローマTシャツでは狼の姿がデザインされています。名前のウータンはカンフー映画「少林寺武者房」(少林與武當 / Shaolin and Wu Tang)から取られています。デビューアルバムの名前は「Enter the Wu-Tang(邦題:燃えよウータン)」これはもちろん、「Enter the Dragon(邦題:燃えよドラゴン)」のパロディです。 ラップとカンフーの精神性は現代のラップの王者ケンドリックラマーにも引き継がれていますね。





Ramones


そして右下の円のロゴですが、これはアメリカのパンクバンドRamonesのロゴです。Ramonesはメンバー全員がラモーン姓を名乗っていますが、血縁関係はありません。最近だと日本のバンドOKAMOTO'Sがこれをパロディとして全員オカモト姓を名乗っていますね。このロゴではアメリカの国章をモチーフとし、メンバーの名前が円で囲われています。ローマのTシャツではローマ人となり、歴代バンディエラの名前になっています。ラモーンズは最初期のパンクとして活躍しました。タイトで穴の開いたジーンズ、ライダースジャケット、ポップでスピーディなロック、といわゆるパンクのパブリックイメージを作り上げたバンドと言えるかもしれません。




以上です。

みなさんはどれかお気に入りのデザインや音楽はありましたか?僕はバンドとしてはJoy Divisionが好きなのですが、Tシャツとしてはウータンの緩さにちょっと心惹かれています。やっぱりこういうものは元ネタを知っていると少し愛着が湧いたり、着たいという気持ちが増しますよね。ローマはspotifyで音楽のプレイリストをたくさん作っていたり、カルチャーにも目を向けています。今回の企画も公式でこの4つのプレイリストを作っていますので、もっといろいろ聴いてみたい人はチェックしてみてください。


これからもローマはエンターテインメントと社会性を両立した企画をたくさんやってくれそうでとても楽しみです。日本のファンも一緒に盛り上がっていければなと思っています。少しでも賛同したり、興味を持ってくれる方が増えたら嬉しいです。




 
 
 

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