ローマ・デルビー@オリンピコ
- 酢ダコ
- 2019年4月30日
- 読了時間: 10分
更新日:2019年9月14日
皆さん、はじめまして(の方がほとんどだと思います)。
「酢ダコ」と申します。よろしくお願いします。
簡単に自己紹介をすると、ローマを応援し始めたのは15/16シーズンから。主なきっかけは、トッティとデ・ロッシのような生え抜きが長く活躍していた、ナインゴランとピ〇ニッチのプレーに魅了された、の2点です。今季の推しはペッレグリーニ、クリスタンテです。
現地時間3月2日に行われたラツィオvsローマのデルビー・デッラ・カピターレ(ローマ・デルビー)をスタディオ・オリンピコで観戦してきました。皆さんの忘れ去りたい記憶を掘り返すことになってしまうかもしれませんが、現地でしか体感できないことをお伝えできればと思います。ちなみに世界一アウェイな環境でローマの惨状を目に焼き付けた自負があります。ローマを満喫した旅ではありましたが、すべて書くとかなり長くなるのでASローマに関係する部分だけにとどめておきます。それでも備忘録を兼ねているため冗長な部分があります。適当に読み飛ばしてください。なお、初めての海外でのサッカー観戦であること、リサーチ不足によって手際が悪い部分が多々ある点、ご了承ください。おかげで反省点も見つかったので皆さんが今後観戦する際の参考になれば幸いです。また、より良い購入方法、楽しみ方等をご存知の方がいればぜひとも教えていただきたいです。
前置きが長くなりました。本記事は以下の4部構成になっています。
・観戦までの経緯(※無駄話多め)
・テルミニ駅からオリンピコまで
・オリンピコにて
・〈おまけ〉後日の買い物
これまでの記事と比べて「かなり長め」になっているので、GWの隙間時間にでもどうぞ。
※記事内の画像は全て私が撮影したものです。
観戦までの経緯
オリンピコでローマの試合が観たいという想いがあり、昨年のうちにイタリアへ行くことを決めていた。実は過去に一度行ったことがあるが、前回はイタリア観光が主な目的だったため友人との日程調整の結果、ローマにいながら画面越しにアウェイのマドリー戦を観るという悔いの残る旅であった。そのため今回はスタジアム観戦を最優先事項とした。目的が特殊なため一人で行くつもりだったが、ナポリのファンである友人を誘ってみると快諾してくれた。オリンピコとスタディオ・サン・パオロ(ナポリの本拠地)での試合を連続して観戦できる日程で絞ったところ、ラツィオvsローマ、ナポリvsユヴェントスという絶好のカードが!ロナウドを生で見れるということもあり即決だった。
ここで一つ問題が…。ローマがホームの試合であれば公式ホームページから簡単に購入できる。ただラツィオホームであったため、ラツィオの公式ホームページからの購入を試みたが上手くいかず諦めてしまった(もちろんネットの情報を参考にした)。現地に着いてからの購入も考えたが、満員になる可能性がないとも限らなかったため1ヶ月前にはviagogo(チケット予約サイト)を利用した。今思えばこれが失敗だった。大体の位置しか指定できず、ホーム側の席を手配される可能性が高い。どうせラツィアーレに囲まれると思い、かなり高騰していたメインスタンド(Tribuna)は諦め、コーナー席(Distinti)を購入。ローマホームの試合であれば、熱狂したいならばゴール裏(Curva Sud)またはコーナー(Distinti)、落ち着いてサッカーを観るならばメインスタンド(Tribuna)の席がオススメらしい。公式ホームページ、現地のローマストアで購入すればもっと細かく指定できるはず。席の詳細は下のサイトを参照してください。
(http://www.buonatours.jp/calcio_roma.html)
ローマには現地時間3月1日に到着した。チケットはローマ市内(ナポリのチケットも同様にナポリ市内)でしか受け取れないとのことだったので予めホテルに連絡して預かってもらっていた。前日、当日の市内の雰囲気としては他の日と変わらず和やかだった(CLのホームゲーム前夜にサポーター同士の衝突が度々起こるとは到底思えないほど)。ただ、街にとって一大イベントであることには変わりないようで、駅や空港など市内の電光掲示板にはデルビーの広告が多く見られた。

テルミニ駅からオリンピコまで
テルミニ駅から910番のバス1本で行ける。目的地のマンチーニ広場までは20~30分。ちなみに少々割高でもテルミニ駅近くのホテルをとるべきで、観光・買い物のしやすさ、夜道の安全性、移動時間を考えるとそこでケチる理由はない。駅で販売している1日(または3日)乗車券を持っていると市の公共交通機関(バス、トラム、電車)が乗り放題で、体力・精神的に余裕が生まれるので買っておくことをオススメする。
余談になるが、テルミニ駅のバス停で同年代(大学生)の日本人男性2人組を見かけた。海外ではコミュ強になるカラダなので話しかけてみると、2人はマドリディスタで、ヨーロッパ旅行の一環でローマに来ているそうだ。その日は同じ時間にエル・クラシコがあり、元々ローマ市内のスポーツバーで観戦予定だったらしいが、直前の試合のマドリーの不甲斐なさに失望して急遽ローマ・デルビーを観戦することになったらしい。僕らの半額以下で購入していた。しかも、後述するローマショップで購入したそうでローマ側(オリンピコ南側)の席だった。羨ましかった。交換してほしかった。泣いた。
キックオフ2時間前に終点マンチーニ広場に着きバスを降りると車と人だらけだった。目の前に橋がありそれを渡っていく。わずかにオリンピコが顔を出している。橋の途中にはいくつか露店があり、公式のものか不明なユニフォームやマフラータオルなどが売っていた。観光客向けなのかほとんどローマのものだった。橋を渡った付近では両チームのサポーターによる決起会がそれぞれ行われており、大きく野太い声が絶えず響いていた。衝突のないよう多くの警官とパトカーが並んでいた。味わったことのない雰囲気に興奮と恐怖を覚えた。先ほど出会ったマドリディスタ2人を合わせて4人で肩を寄せ合って歩いた。そうしている間にオリンピコとご対面。感想は「デカいなぁ。そしてかっけえ…。」橋を渡ったところはオリンピコの南側なので2人は列に並ぶ。「ご無事で」とお互い声をかけ別れた。僕らは北西側なので一番遠くのゲートまで歩いた。道中に何枚かオリンピコ撮影したものの、ベストアングルを知らず大きさ、かっこよさが伝わりにくい写真しか撮れなかった。

オリンピコにて
チケットに記されているゲートに到着。チケットには所有者の名前が印刷されており、厳重な本人確認が行われる。そのためパスポートを持参しないと入れない。外国人だからか荷物検査もしつこく行われた。ペットボトルは持ち込み不可、投げると危ないものも禁止されている。
これも余談だが、翌日のスタディオ・サン・パオロで、イタリア語を話す係員にスマホの充電器を奪われ、ごみ箱に捨てられそうになったのだ。確かに投げたら危ない。もしくは爆弾にでも見えたのだろうか。充電器だと英語で釈明しても返してもらえず、係員4人に囲まれる事態となった。悪用しないと懇願して結局返してもらったが。まず、英語で会話しろ。どう見ても好青年な日本人を警戒するより、イタリア人を徹底的に調べろと少々腹が立った。
話が逸れたが、チェックが終わりいざ入場。席番号は指定されているが早い者勝ちという情報は得ていたので早めに到着していた。あとトイレ等で一旦席を立つ際に、荷物を置いておけば盗られ、荷物ごと空けると座られることが安易に予想できるため、ホテルで出すものは全部出してから出発するべきだと思う。指定席はコーナーの前から9番目。前すぎて怖いなと思いつつ座ろうとすると真後ろにいた品の悪いラツィアーレのギャルたちにイタリア語でいちゃもんをつけられた。何を言っているのか分からず尚更怖かったのだが、おそらく「(日本人だから)ローマ贔屓だろ」「ティフォージが陣取るところを観光客が座ってんじゃねえ」という感じだった。怖くてすぐに上に移動した。ラツィオ側のコーナー席であったこともあり、観光客っぽい人は見当たらなかった。

ラツィオ選手たちがピッチでウォームアップを始めると大きな声援が起こった。逆にローマの選手が登場するとブーイング、罵声が飛んだ。デ・ロッシとコラロフに対してはさらに大きくなった。終始、中指を立てている者もいた。気分は良くなかったがロマニスタなのにそこに席をとった奴が悪い。正直勝てると思っていたので試合後の君たちの顔を楽しみにしているよ、と心の中でニヤニヤしていた。あんな結果になろうとは…。試合開始直前になると周りの席も埋まっていて熱狂的な空気に包まれていた。
その空気は僕らに恐怖を抱かせるには十分で、冗談抜きでロマニスタであるのがバレたら袋叩きに合うと思い、普段iPhoneの壁紙に設定しているダニエレの写真を変えた。ロマニスタではない友人にも被害が及ぶと困るので。周りにはイタリア観光のついでにサッカーの試合を観に来た日本人学生2人に見えていたと思うし、そう見えるように中立的な反応・振る舞いをしていた。不安が大きかったが隣のラツィアーレのおっさんが紳士で良い人だった。ラツィオには大きな声援を、ローマにはブーイングせず沈黙を貫いていた。わざわざ日本から来た観光客に楽しんでもらおうという気持ちが見られ、ラツィオのマスコットである鷲がスタジアムを飛ぶ催しでは指差して鷲の位置を教えてくれた。
そしてとうとうキックオフを迎えた。あまりにも情けない試合だったので試合内容については割愛する。前半13分には1年前に急逝したアストーリの追悼が行われた。以前ローマに在籍していたことなど関係ない。イタリアを代表する選手、人格者として1分間スタジアム全体で惜しみない拍手が送られた。おっさんはモニターに映し出された彼を指し「誰かわかるか」と訊いてきたので、アストーリと即答すると不思議そうに見ていた。少しやっちまったと思った。対してコラロフがボールを持つたびに大きなブーイングが起こった。ラツィオが先制した時、スタジアムの熱気は最高潮に達した。おっさんは僕の肩を抱き飛び跳ねて喜んだ。スタジアムに溶け込んでもらおうという、おっさんの優しさがつらい。おっさんごめん、僕は隠れロマニスタなんだ・・・。その後、追加点が入るたび苦笑いのまま飛び跳ねることになった。先制点に引けを取らないほど盛り上がったのはコラロフの退場である。これには、さすがのおっさんも大喜びだった。ラツィアーレにこんなにも嫌われているんだと実感した。まぁ逆の立場なら納得できる。混むと数時間は帰れないと聞いていたので試合終了の笛と共に友人と席を立った。
できればローマ側で観たかったが、世界で最もアウェイな環境で観戦した体験はそれはそれで貴重だったと思っている。スタジアムでの観戦は最高だ。お金に換えられない価値があると思う。負けても清々しい気分だった。次にローマに行くときはホームの試合でRoma Roma とGrazie Romaを生で聴いて歌いたい。今度は焦らず試合前日にはローマ入りし、ローマショップでチケットを買う。安く済むし。スクデットが決まる試合、CL準決勝・決勝ではない限り満席になることはないと断言できる。
※翌日スタディオ・サン・パオロでナポリvsユヴェントスを観戦しましたが、このサイトには関係がないので省きます。興味がある方はTwitterのDMで質問していただければお答えします。
<おまけ>後日の買い物
三越ローマ店がある通りのAS ROMAショップに行った。テルミニ駅から歩いていける距離にある。過去に2店舗行ったことがあるが、それらを含めて最も良かった。清潔感があり、雰囲気が良く気分も上がる。

ユニフォームからトリゴリアでの練習着まで幅広いサッカーグッズだけでなく、時計やキーホルダーといった日用品など多く取り揃えていた。僕は、ペッレグリーニのユニフォーム、普段使い出来そうなパーカー、マフラーを買った。店頭に並んでいるユニフォームをレジの兄ちゃんに渡すと名前をプリントするか訊かれるので、選手の名前を伝えると大きな機械で印刷してくれる。ペッレグリーニと言うと兄ちゃんが「ふーん、やるじゃん」と言いたそうな顔していた。ちなみにローマのユニフォームはこれで6着目であり、ジェコ、ピ◯ニッチ、トッティ、デ・ロッシ、ナインゴランを持っている。

同じ通りにはセリエAの各クラブの公式グッズを取り揃えている店がある。日本ではお目にかかることのないジェノアやサッスオーロのグッズが並んでいて少し感動した。また、レジの上には往年の名選手のサイン入りユニフォームが飾られており、寄って眺めてみるのもいいだろう。

長々と書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。備忘録的な面が強く、無駄と思える話が多かったと思います。皆さんには、この冗長な記事から有益な情報を少しでも抽出してもらって今後のロマニスタライフに活かしていただけると書いた甲斐があります。最後まで読んできただき、ありがとうございました。
質問等あればDMでいつでも受け付けております。
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