ローマの新戦力。アマドゥ・ディアワラ
- エルヴェ
- 2019年8月4日
- 読了時間: 7分
7月1日、ASローマに新たな選手が加わることが発表されました。当時ギニア代表としてアフリカ杯を戦っていたナポリ所属のディアワラです。ローマの新指揮官であるフォンセカ監督はディアワラをチームに加えるために彼に直接電話をかけたそうです。
このディアワラがどんな選手なのか知りたいという方も多いでしょう。いろいろ調べてきました。
・アマドゥ・ディアワラのプロフィール
国籍:ギニア
年齢:22歳(1997.7.17)
身長:183cm
背番号:44
利き足:右
キャリア
14-15 サンマリノ
15-16 ボローニャ
16-17 ナポリ
17-18 ナポリ
18-19 ナポリ
19-20 ローマ
ナポリには3シーズン所属していましたが、その間のリーグ戦出場時間は2340分。1シーズンだけ所属したボローニャ時代の2735分よりも出場時間が少なかったようです。
・ディアワラの経歴
1997年の7月17日にギニア西部にある港町の首都、コナクリで産まれる。
ユース時代は2012年までギニア国内のSyli Authenticに所属。その後同ギニア国内のFC Sequenceへ。本当にどうでもいいことですが前者は直訳すると『本物のギニア・シリ(ギニアの通貨)』、後者は『連続FC』となります。(なんでそうなったんだろう。)
2015年2月にセリエC-ジローネBのサンマリノへ移籍しました。
14-15 サンマリノ(セリエC-B)
出場試合:15試合
フル出場:13試合
ディアワラが注目を浴びるようになったきっかけ。冬の市場で加入し、イエローカードの累積による出場停止1試合を除き全ての試合に出場した。
15-16 ボローニャFC
リーグ戦出場:34試合
フル出場:26試合
アシスト:1
サンマリノでの活躍が認められセリエAのボローニャFCに移籍。
第1〜4節で試された後第5節からレギュラーに定着した。8節でパレルモに敗れた直後に監督が解任されたが、後任のドナドーニ監督の信頼も掴み取りその後もレギュラーとしてチームの残留に貢献した。当時17歳でレギュラー確保はエラい。ちなみにこのシーズンのボローニャは現ローマ所属のミランテが主にゴールマウスを守っていたため今夏のローマ移籍によって彼と再会したことになった。
16-17 SSCナポリ
リーグ戦出場:18試合
フル出場:8試合
CL出場:6試合
ボローニャで活躍したことによりメガクラブから注目を浴びナポリに移籍。(その頃にローマも狙っていたという噂があったりなかったり)
第1節時点ではボローニャ所属だったが第2節の前に移籍。2節はベンチ外、3節から8節までベンチを温める日々が続いたが、第9節のクロトーネ戦でデビュー戦にしてフル出場を果たした。
現チェルシーのジョルジーニョとプレースタイルが似ていることもあり彼のバックアッパーとして使われた。当然役割が役割であったため出場試合は限られていたが、CLには割と出ていた。
17-18 SSCナポリ
リーグ戦出場:18試合
フル出場:5試合
この年はナポリがユベントスと優勝争いをした年。ジョルジーニョが温存される機会が前のシーズンより減ったためディアワラが使われる機会も減った。
31節のキエーヴォ戦でセリエA初ゴールを記録。このゴールは後半ATに決まり決勝点となった。また、CL第3節のマンチェスター・シティ戦ではPKを決めている。
実はこの2試合、前者は53分に、後者は38分にいずれもメルテンスがPKを外している。
ローマには優秀なキッカーがたくさんいるので(ペロッティ、ヴェレトゥ、コラロヴ等)彼がPKを蹴る機会はそこまで多くならないだろう。
18-19 SSCナポリ
リーグ戦出場:13試合
フル出場:3試合
監督がアンチェロッティに変わったが、4-4-2でアラン+ジエリンスキを中盤に置く形を彼が好んだため、また単純に監督の信頼を得ることができなかったため「ローテーションがすごい」と言われていたアンチェロッティナポリの下でもあまり出ることができなかった。(フル出場が1回もなく計354分しか出場しなかったログよりはマシだったが)
シーズン後半には筋肉系の怪我を起こしてしまい28節以降はベンチ入りもなかった。残念なシーズンとなってしまった。
19-20 ASローマ
2019年7月1日に移籍金€21mでASローマへの移籍が決定。5年契約。意外にもレギュラークラスの選手の中では唯一のアフリカ人選手となった。
・ディアワラのプレースタイル
アンカーが本ポジション。チームのビルドアップの補助が最大の武器。ボローニャでもナポリでもギニア代表でもやることは同じでした。
元チームメイトだったジョルジーニョと比較するならポゼッション時においてはほとんど変わらず。
ビルドアップ時に味方CBやSBからボールを受け取りほかの選手に渡す橋渡し役。
守備面においてはジョルジーニョはポジションを上手く取りインターセプトが多いのに対してディアワラはインテンシティを活かしたデュエルでボールを奪うことが多い印象。
このインターセプトとデュエルは一長一短で前者はカットができないと一気に裏を取られることと、相手との距離を詰めておかないとそもそも取りに行けないこと。後者はボールが入ってから取りに行くのでボールが入った瞬間に1人置き去りにされているということはないですし、パスの出しどころを定めたりできますが、インテンシティが求められるのは当然だし、ワンタッチで躱されないようにする技術も必要になります。
・市場価格
現在:€15m
最高:€20m(17-18冬)
ローマの中では11番目。
セリエAでは101番目。
ギニア人選手では2番目。(1番は当然ナビ・ケイタ、€60らしい。)
・背番号
彼が選んだ番号は昨季までマノラスがつけていた44。実は彼のアイドルはヤヤ・トゥーレ。しかしヤヤのつけていた24番はボローニャでは現サンプドリアのアレックス・フェラーリが、ナポリではインシーニェが、ローマではフロレンツィがつけていたため使えず。
ナポリ時代の42番は24を逆さにしたものですが、同じ方法をヤヤも使っていたのが理由でしょう。
ローマではエンゾンジの退団がほぼ確実ですが、焦ったのかそれともエンゾンジが退団しない未来が見えてるのか。42番を付けれるようになるまでは待たずにマノラスがつけていた44番を受け継ぎました。
ロマニスタにとって44番といえばマノラスだし、ディアワラを見てきた人にとっては42番の彼の方が違和感がないでしょう。うーん…エンゾンジ…。まぁエンゾンジの42番はそれはそれでお似合いなのだけど。
・ローマにおける彼の役割
1.レジスタ
ローマが求め続けた役割。
前述した通り彼の最大の強みはビルドアップ面です。仲間に近づいてボールを貰って少し運んでほかの仲間に渡すというのは鉄板の動きですが、ロングパスを用いた展開力も絶妙な場所に縦パスを通す能力も持ち合わせています。
先日のテストマッチで魅せた絶妙すぎるアシスト。
2.潰し屋
17-18まで所属したナインゴランとストロートマン。昨季まで所属したデ・ロッシ。
3人とも揃っていた17-18シーズンは中盤のインテンシティが極めて高く、その上強固な最終ライン+アリソンもいたため失点はかなり少なかったのですが、ナインゴランとストロートマンが抜け、デ・ロッシも怪我がちになってしまった昨季は失点がシーズン全体で20点も増えてしまいました。17-18まではCBの背後への弱さを中盤で潰していただけなのかもしれないと思わせてしまうようなシーズンでした。エンゾンジとクリスタンテのダブルボランチで明らかに足りなかったものが中盤での潰しでしたので(ほかにも足りない物はありましたが…。)、今季は同じく新加入のヴェレトゥと共に中盤の強度を上げるという仕事も期待できるかもしれません。
3.空中部隊
コーナーキック時は通常6〜7人の選手が中に入り、ディアワラ自身はキッカーをやることはないはずなので大抵は彼もゴール前に上がることになるでしょう。
身長は183cmと空中部隊の中では小柄ですが、競合いは割と強いためヘディングでのゴールも期待できます。
4.CB
スタートポジションはDMFですが、CBのマンチーニがアタランタ時代にオーバーラップを1つの持ち味としていた選手なので(ガスペリーニ監督の戦術の為ですが。)マンチーニの動き次第でディアワラがCBとしてプレーすることも考えられなくもないでしょう。可能性は低いです。
・おわりに
昨季ずっと求め続けたレジスタがやっと補強できたのは嬉しく思います。昨冬に獲得目前まで迫ったヴァイグルはダブルボランチより1枚でのアンカーの方が向いているという弱点があり、ディアワラもそのアンカーでの出場がメインだったため多少の不安はありましたが、テストマッチでの彼を見る限りその点は特に問題ないどころかダブルボランチの方がかえって良いようにも見えました。
ボランチのコンビはヴェレトゥ、クリスタンテ、ペッレグリーニがメインになるでしょう。フォンセカ監督がパストーレのボランチ起用も試しているためパストーレと組む可能性も十分にあります。
今季のローマはどうなるでしょうか。CL出場権獲得は当然期待していますし、ELで結果を出してくれればそれはそれで喜べるでしょう。理想は王座奪還+EL優勝ですが正直厳しいと思うので昨季のようにならなければなんでもいいです。今季は頼みますよ。Forza Roma!
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