スピナの躍動と一抹の不安 VSジェノア戦
- ayasupo
- 2020年1月22日
- 読了時間: 11分
Genoa 1 - 3 ASROMA
皆さんまいどどうも、あやスポです♪(≧▽≦)
年明けからリーグで連敗し軽い鬱になってましたが、特効薬はやはりローマの勝利!
上位3チームからは離され下からの圧力が強まってきている我らがローマにとって、負けられない要素が色々と乗っかった一戦でしたが、この勝利で連敗を断ち切りCL圏をキープして次節デルビー・デッラ・カピターレに臨めるのは大きかった
ただし、内容に関しては正直疑問符の残る内容だったのも事実…
そこら辺に関しては最後に総括するとして、先ずはいつも通りフォメ紹介からどうぞ
ASROMA
ベーシックフォーメーション
4 - 2 - 3 - 1
GK:パウ・ロペス
SB:ダビデ・サントン
CB:ジャンルカ・マンチーニ
CB:クリス・スモーリング
SB:レオナルド・スピナッツォーラ
DMF:アマドゥ・ディアワラ
CMF:ジョルダン・ベレトゥ
SH:ジェンキズ・ウンデル
OMF:ロレンツォ・ペッレグリーニ
SH:ジャスティン・クライファート
CF:エディン・ジェコ(C)
得点経過(ローマ)
5分:ジェンキズ・ウンデル
(クライファートサイドチェンジ ⇒ )
44分:OG
(ディアワラ ⇒ クライファート ⇒ スピナッツォーラ切り込んでクロス ⇒ OG)
75分:エディン・ジェコ
(相手GKクリアミス ⇒ ペッレグリーニ ⇒ )
私的pagelle(採点表)
*及第点評価:6.0としてます
パウ・ロペス:7.5(マイMOM)
少なくとも彼の個の力で3点は喰いとめた
終了間際の近距離パンデフのシュートをブロックしたシーンでは、相撲さんのビハインドで見えづらい状況の中、咄嗟の超反応でストップ
今節勝ち点をもたらしたのは彼によるところ大なり
ダビデ・サントン:5.5
左にスピナを置く事で右サイドのサントンは重心低めとし、ビルドアップ時もサイドを駆け上がるのではなく3バックの一角としてプレイ
彼の良さもこの方が活きると思うので、この組み合わせを一つのパターンにするのは有り
ただ、その為には彼特有のポカをもう少し抑える必要アリ(笑)
ジャンルカ・マンチーニ:6.0
ミスらしきミスはなくクレバーに立ち回っていた
ビルドアップ時も安心して預けられる点は味方の大きな助けとなっていた(特にサントン)
クリス・スモーリング:5.5
1対1の局面は相変わらず強く、敵の楔のプレイに対する寄せや潰しも文句無し
マイナス評価は2得点目直後の失点シーン、油断からか一人ポジショニングがやたら低く、オフサイドが機能せずに簡単に失点
絶対にやられてはいけない形での失点の原因となった事は反省して次に活かして欲しい
レオナルド・スピナッツォーラ:7.0
感情面でいえば彼にMOMをあげたかった
移籍騒動直後でありながら、あれだけのパフォーマンスを見せた事を素直に褒め称えたい
彼の存在の影響でこの試合のローマの攻撃の質は一段と高いレベルにあったと思う
アマドゥ・ディアワラ:6.5
完全に今のチームに不可欠なピース
ビルドアップの起点・機をみた攻め上がり・行き詰った時の受け手・危険なシーンでの勘所を察した絶妙な位置取り・ボールの置き方&散らし方、全てが自分の心の琴線に響く
ジョルダン・ベレトゥ:5.5
主にバランサーとしてプレイし、それ以上でもそれ以下でもないプレイに終始
以前ほど目立ったプレイは影を潜めている、何かしらオンリーワンな武器が欲しい
この試合は強烈なミドルを放つシーンもみられた、これをモノにしたらもう1ランク上の選手になれるし、ローマももう1ランク上のステージに上がれるだろう
ジェンキズ・ウンデル:6.5
1点目はロッロとの合作、敵が飛び込んできていてあのコースにボールを入れられるとGKは非常に対応が難しい、見事
一枚剥がしてからの巻いたシュートを放ったりと、着実にギアを上げてきている
継続していって欲しい
ロレンツォ・ペッレグリーニ:7.0
今日も高めの位置取りで攻撃のあらゆる局面に顔を出していた
ボールに多く絡んでこそ力を発揮するタイプ、1点目のようにエリアに入っていくプレイが多かったのも高評価
3点目のパスを出す前の溜めがエロかった
ジャスティン・クライファート:6.0
運動量豊富で且つダイアゴナルにエリアに入っていく意識も高い
コンビネーションでの抜け出し等狙えるようになるとより脅威になり得る
手癖の悪さと倒れ癖は要注意
エディン・ジェコ:6.5
久々のゴールを沈めて一安心
この試合は多くのチャンスボールが彼のもとに来ていたので、今後もこの内容が続けば自然とゴールは増えていくはず
ブライアン・クリスタンテ:5.5
この試合は投入された局面も局面だったので、バランサーの役目に終始
目立った場面は特には無かった
メルト・チェティン:SV
ブルーノ・ペレス:SV
ミステル
パウロ・フォンセカ:6.0
2列目の層の薄さに加え両SBが出場停止というなかなかにタフな状況下でも、キッチリアウェイで勝ち点3を獲得したのはお見事
前節のリスタート時のミスも修正を加えたのか、イージーに蹴っていくシーンも見られ一部改善を施したように見受けられる
失点の仕方は非常に良くない形だったので、修正というか引き締め直しは必要
サイドを深く抉られてのピンチが多かった点も気掛かりな事案
試合結果は1-3での勝利
ただ、言うて余裕の勝利かと言えば、おそらく試合をフルで観た方はそうは思わない内容だったと思います
決定機の数ではほぼイーブン、前半はローマが支配するも後半は内容ではジェノアが上回っていた
(ここら辺の細かいデータはセリエA公式にデータがアップされてます
おおかみ司書さんのロマ電の試合記事にコピー有り、用語の和訳リンクも貼ってあって凄く使い勝手が良いです、優しい)
前半はロングボールぶっぱによる裏攻めをメインとしてましたが、後半はローマの右サイドを狙っていった
バレッカ・ストゥラーロ・パンデフ・サナブリア、時にはシェーネも絡めた崩しで深い位置まで持っていき、速いクロスorマイナスのパスで決定機を演出
ネガティブファンタジスタことサントンと、守備面の貢献度がかなり低いウンデルのコンビ、ローマの守備時の穴を的確に狙った後半の立て直し、ダビデ・ニコラ監督お見事
多少プレスを掛けてたとはいえ、ペリンの転倒からのミスキックで得たチャンスで3点目を決めてなければ、試合終了まで何度肝を冷やした事か・・・
(この日は他にも転倒が目立ってたので、ルイジ・フェラーリスのピッチコンディションは良くなかったのかな?)
相手の連携の巧みさを褒め称えた方が良いかもしれないが、パウ・ロペスの活躍が無ければ勝ち点3を持ち帰れなかった可能性の高い試合展開は、次節デルビーに向けてなんらかの修正は必要ではないかと思わされた
(ただし、言うても攻撃時、基本5枚を後ろに残して備えているので、やれることといっても2列目の選手の深い位置へのプレスバックと1対1の局面でやられない事ぐらいしか早急に行えることはないかも?)
もしくは今までに無い多様性をみせた攻撃力で、相手を力でねじ伏せるという選択肢もある
個人的にはどちらかといえば、こちらを突き詰めていく事に注力して欲しい
多様性とはどういうことか、あくまで自分なりの見方ですがちょっと解説してみます
↑今節ローマのビルドアップ図
本当はパスマップのようなモノがあれば良かったのですが、自分の検索力だと見つけられなかったので自前で作成(笑)
基本は両SBを高い位置に押し上げるので、アンカーが2CBの間に入ってくるのですが、この日の右SBはサントンで攻撃面での貢献は高くないので、サントンが3CBの右のような位置取りでボールを動かす
普段3CBに加わるアンカーのディアワラは、細かい動き直しを繰り返し相手ライン間にいる味方へのパスを伺う役割、ベレトゥはその補助といった形
左SBのレオは攻めの起点として、従来のローマの基本である高い位置取りをキープ
(赤いゾーンを回す事で、敵を引き付けたり、相手の網に穴が開くのを伺う、強く寄せられない限りロングボールは蹴らない)
ディアワラが繋ぎ役を務めていたので、普段その役割を兼ねるロッロは一段と高い位置取りでボールを待つ事が出来た
ボールの運び方は両SBやディアワラから中央のロッロやベレトゥ、クライファートに当てて再度サイドの高い位置にいるレオやウンデルに運ぶ形が基本の狙い
(オレンジ色がボールの動き)
↑今節ローマ左サイドの攻撃パターン
(白線:選手の動き、オレンジ線:ボールの動き)
ローマの組み立てが先述したような形で行っていると、自然と攻撃の起点となるのは両サイドの高い位置となる
先ずは左サイドだが、図にあるケース①はコラロフとレオの大きな違いが出るパターンである
右SHのジャスティン、または崩しに絡んでくるベレトゥを使い、裏に抜け出すまでは一緒だが、レオはクロス以外にここから1対1で抜くという選択肢を所持する選手である
絶好調のコラロフ兄貴であればカットインも狙えるが、少なくともここ最近の兄貴は抜く事は出来ず更に相手を外しきれずにクロスを上げて引っ掛かるケースが多かった
一方、レオは相手と駆け引きをしながら赤丸のゾーンへの侵入を試みる
ここまで入ると攻め側に妙味が増します
・更にカットインを狙いシュート
・グラウンダーのクロスやマイナスの折り返しを入れる(オフサイドの可能性も減少)
・相手にドリブルで仕掛けてリゴーレ獲得
・相手の手に当たってリゴーレの可能性も有り
(VAR導入後はリゴーレ発生確率大幅アップしてるので狙っていくのは有効)
従来のローマではこの仕事はペロッティが主に務めていたが、SBがやってくれればSH(この日はクライファート)がエリア内に入っていけるようになり、必然的に攻撃の厚みが増す訳です
ジェコのマークも剥がれる可能性が出てきますしね
以上の観点から、①のケースにおいてレオの起用は攻撃力がグッと上がると思います
②のケースもローマの左サイド(コラロフ&ペロorミキ)では余りないパターン
ペナルティエリアの角辺りからアーリークロスを入れるケースです
クライファートが外に走り、敵BOX内の人数を減らしたところに精度の良いボールを入れ、少なくとも2枚合わせる動きが出来れば、十分ビックチャンスに繋がるケースになると思います
実際、右サイドから同様のプレイでこの日の先制点は生まれています
③のケースは組み立て直すパターンですね
これはローマでは誰が出ようと良く行う行動パターンですので、チームの約束事として徹底しているのでしょう
逆にやり過ぎじゃない?って思うぐらい、ボールを大事にしますから、フォンセカローマは(笑)
この他にジャスティンがカットインするパターンや、エリア付近をドリブルで横に流れながら仕掛け所を探すパターンも有りましたね
流石にそれも載せるとゴチャついて図が見えづらくなるので、レオのパターンに絞って記載しましたが
↑ローマ右サイドの攻撃パターン
(白線:選手の動き、オレンジ線:ボールの動き)
続いて右サイドのパターンです
こちらのSBはサントンですが、ハッキリ言って彼に攻撃面での貢献を求めてもリターンは大きくないです
なので、攻め上がりを自重させ役割もウンデルが詰まった時の貰い役の一人とし、オーバーラップなどはせず相手カウンターに備えさせていた印象
(それでも3~4回ファンタジー溢れるミスをかましてましたが(笑))
なので、右サイドの仕掛けの主体はウンデル、サポート役はロッロとなります
パターン①はウンデルが最も活きるロッベン風カットインプレイ
この日のゴールはぶっちゃけクロスだったと思いますが、ボールの入ってくる角度とロッロの動きに合わせたキックだったので、ペリンには止めろというのが酷なボールだったと思います
他にもこの形から巻いたファーサイド狙いのシュートを撃つシーンもあり、これが決まるようになるとウンデルもローマも乗ってくると思います
クロスの場合はファーの青丸のゾーンを狙ってました
パターン②はワンツー等を駆使し縦に抉るプレイ
ただしウンデルはクロス精度はお世辞にも高いとは言えないので、レオ同様深い位置まで持っていってからのグラウンダーの折り返し等が効果的
SBがカピターノであれば彼をオーバーラップさせるパターンも有りますし、ロッロと入れ替わって彼にクロスを蹴らせたり、ダイアゴナルにエリアに入り彼からの浮き球のリターンを貰うプレイもあり、バリュエーションが多岐に渡っていた
パターン③は左と同様
右での攻めが詰まったら逆サイドに早く展開し、攻めを構築するのもお決まりのパターン
以上、ジェノア戦は自分が観た限り、このようなパターンでの攻めを展開していました
特に左サイドのレオの存在が効いていて、お陰でローマとしては珍しいぐらい中に人がいるシチュエーションが生まれてました(笑)
更にこれにプラスワンでジェコに楔を入れるパターンを使えると、相手はそれこそ絞れなくなると思います
ハイボールの処理も得意ですが、ジェコは結構足元に欲しがるタイプだと思うので、狭いエリアでもシンプルなワンツーでチャンスを生んだり、ターンしてからのシュートでゴールを沈めてくれる事も多いと思うので
中央でボールをロストするリスクを嫌ってか、それとも混み入った中央にボールを運ぶ成功率の低い試みを嫌ってか、フォンセカローマは真ん中に楔を入れる事が少ないんですよねぇ
個人的にはもっとリスクを取ってジェコに当てても面白いと思ってますが・・・
とまぁ、長々と自分勝手に語ってきましたが、要約すると
【守備面での不安は拭い去れないが、それと同じぐらい攻撃面での可能性を感じた試合】
これが自分のジェノア戦の総評です
このあとコッパイタリアでのユベントス戦、更にリーグでのデルビー・デッラ・カピターレと大一番が続きますが、ローマの勝利を願って応援したいと思います
最後までお付き合いいただきありがとうございました♪
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