セリエA第16節roma対SPAL マッチ分析
- しゅー
- 2019年12月19日
- 読了時間: 5分
「ロマニスタ共同サイトで記事を書きたい!」と思い練習のために始めた個人ブログ。ありがたいことに多くの方からのご好評をいただき、生意気にも自信を持ってしまったため、野望を果たさせていただきました。
どうも、しゅーです。
少し遅くなりましたが、SPAL戦のマッチ分析です。
ヴィオラ戦の予習としてお読みください。
この記事では、私の個人ブログ「Directions」の中で触れられなかったシーン(後半)を取り上げ、分析・解説していきます。
解説に入る前に、皆様にお願いがあります。
『リアクション』
この言葉を覚えておいてください。それでは。
まず取り上げるのは52分。ロッロの同点弾のシーンです。

この画像はゴールのワンプレー前のシーンを表したものです。 左サイドいっぱいに開いてボールを受けたコラロフにWB(4番)が対応します。その後、その時に空いたCB(40番)とWBの間のスペースにヴェレトゥが走り込みました。この時、DH(7番)はヴェレトゥについて行ったために最終ラインに吸収され、SPALの最終ラインはCB+両WB+DHの片割れの6人が形成する形となりました。それによりペロッティの目の前に大きなスペースが生まれます。このあとボールはペロッティに渡り、ロッロがこのスペースに移動しパスを受けました。SPALのシステムの中でこの位置のロッロにプレスをかけなければならないのはDHの7番。しかしこの時彼は最終ラインを形成する中の1人。簡単には動けません。その結果、ロッロがフリーでシュートを打てる時間を作ってしまい、ボールはDFに当たりゴールへ。ローマ反撃の狼煙となる同点ゴールを与えてしまいました。
この失点を受け、SPAL指揮官は守備面の修正にかかりました。

キックオフ時、正三角形を形成していた中盤の3人は逆三角形に変形。IHの2人には守備の意識を持たせることでムリージョの脇を固め、中央の守備を強固にするというシステム変更です。ロッロの周囲を塞がれたことによりそれまで散々あったローマの決定機は姿を隠し、試合は膠着します。
そして再び試合が動いたのは10分後の64分。リゴーレ獲得のシーンです。

右サイドの高い位置でボールを受けたフロレンツィは後方のディアワラへバックパスし、タッチラインギリギリにポジショニング。プレスに来ていたDH(8番)を釘づけにします。それによりアンカーの脇にスペースが作られました。そして、そこでボールを受けたのはロレンツォペッレグリーニ。目の前にある広大なスペースを見逃さずドリブルを開始します。遅れてプレスをかけた2人の間を通りボールはジェコへ。そして、ジェコが倒されリゴーレ獲得。SPALのGKは変態ペロッティによって動けなくなる洗脳をかけられ、逆転をゴール浴びました。
どうしても点が欲しいSPAL指揮官は左CBフェリペに代えて中盤のツンジョフを投入。攻勢に出るため4−3−3にシステム変更をしました。

ツンジョフを左IHに置いたこの4-3-3。私は試合を何度もじっくり見て、この配置だと考えたわけですが、それでも未だにしっくり来ないくらい不自然な陣形です。
この陣形に代えた後のSPALからは、左サイドにボールを集めたポゼッション又は右サイドから対角線のロングボールを入れセカンド回収→チャンス、という狙いを明確に持ち始めたなという印象を受けました。
しかしこの陣形、危険な状況を生む可能性も十分にあります。画像ではピッチを2分割して分かりやすくしているので、もう気がついているでしょう。そうですね。SPALの右サイドですね。この陣形では左サイドに人を固めて配置しているため必然的に逆サイドには人が足らなくなります。それはローマからしたら常に数的均衡、状況によっては数的有利を作りやすくなっているということです。SPALがこのシステムに変更した5分後、フォンセカ監督はペロッティに代えてムヒタリアンを投入します。ムヒタリアンはサイド1対1でのドリブル突破を得意とするウインガー。フォンセカ監督は追加点を取りに行ったのです。その後ローマは決定機を迎えます。後方からのパスを受けたジェコは反転、中央でフリーのロッロではなく左サイドを走るミキにパスを出します。ミキがボールを受けライン際へ流れることで、敵の注意が左サイドに向き、逆サイドのフロレンツィがフリーに。その後、フロレンツィへ素早いサイドチェンジが送られ、再び右に流れる敵の意識。その背後を取ったミキにクロスが上がりシュートチャンス。これはミキが投入されてから、わずか1分後のことでした。
その後、再び左サイドが起点となってチャンスが作られ、試合を決める3点目が決まります。このシーンは、前述の要因だけでなくボールロストからのヴェレトゥのプレス、ディアワラのポジショニング、そしてフロレンツィの守→攻の切り替えの早さも影響したチャンスシーンでした。フィニッシュの部分ではフロ、ロッロ、ザニオロ、ミキらの4人による素晴らしいコンビネーションが見られます。まず、右サイドのHSより外側における数的優位、そしてフロレンツィとロッロの入れ替わりの動きによる位置的優位、そして何より最後のミキがベテランらしい落ち着いた(?)フィニッシュ。どれをとっても良いゴールと言えます。
このような素晴らしいプレーの数々が起因する美しいゴールが決勝点となり幕を閉じたSPAL戦。
SPALにとっては、失点直後の2回のリアクションがうまくハマらなかったことが、ローマにとってはSPALのリアクションに対するリアクションがうまくいったことが、この結果に結びついたと言えるでしょう。ヴィオラ戦もフォンセカ監督の采配に期待です!!
では、Ci sentiamo!!
ん...?『リアクション』...?
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